心ひらく
先の中越地震に引き続き、目を疑いたくなるような映像がテレビに映し出されている。「またか」と言いたくなる様な惨状だ。そんな訳で再び中越の災害地を訪れましたが、第一陣なので受け入れ態勢もまだ不完全な状態の刈羽村に入りました。そこでのこんな会話から、住民の1人が心を開いてくれました。それは、ある部落で足湯をサービス中の出来事でした。ある家の玄関先にある倒壊した灯篭を眺めていると、その家の主人が出てきました。
主人 「その灯篭が欲しいのか。欲しくりゃやるぞ」
私 「いやこの灯篭には中間にもう一つローソクを灯すものがあるのではと見ていた」
主人 「ここにあった大石をこの間、倅が持っていったばかりだ」
私 「この灯篭を起して元に戻したらと思って見ていたよ」
主人 「いや、このままで良いよ。余震が来て歩いている人に怪我をさせてはいけないからな」
私 「なるほど、それもそうだよね」
主人 「何処からか来たんだい」
私 「栃木から来たよ。栃木は海無し県だから海を見るとうれしくなるんだよね」
主人 「家の西は海だよ、幾らでも見たら」
私 「それにしても、今回の地震の震源地に一番近くなので相当ゆれたのでは」
主人 「揺れるなんてもんじゃなかったよ」
その後は地震の話から昔話と延々と続きました。ふと家の中を見ると、奥様と娘さんが後片付けをしているので、重たいものを運ぶものがあるなら声を掛けて下さいと云うと、2人ほどお手伝いをとお願いされました。
私 「奥さんから言われたので、父ちゃん重いものを運ぶので2名が家に入るよ」
主人 「一番重たいのは、かーちゃんだよ」
私 「それは、とーちゃんに任せるよ」
こんな話から、主人との間にあった壁のようなものが取れ、「実は屋根瓦が落ちそうで危険なのだよ」「やるよ」と次から次と作業が出てきたのでした。
やはり被災者は遠慮がちですので直接「何かお手伝いはありませんか」より、まず挨拶と相手が打ち解けるような場を作ってから、お手伝いの話を進ませたほうが、安心して気分よくお願いしてくるのではないかと思います。
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Author:オールとちぎ事務局